東京地方裁判所 昭和42年(つ)14号 決定
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〔決定理由〕(二) 請求の理由の有無に対する判断
(イ) 第一の名誉毀損の事実について
付審判請求手続について規定した刑事訴訟法第二六二条第一項は、「刑法第百九十三条乃至第百九十六条(職権濫用)又は破壊活動防止法(昭和二十七年法律第二百四十号)第四十五条(公安調査官の職権濫用)の罪について告訴又は告発をした者は、検察官の公訴を提起しない処分に不服があるときは、その検察官所属の検察庁の所在地を管轄する地方裁判所に事件を裁判所の審判に付することを請求することができる。」と規定し、その請求の対象となるべき犯罪を職権濫用罪に限定しているのであり、この手続が制定された由来に徴しても、右のような名誉毀損の事実について付審判請求の許されないことは明らかである(仮に右の名誉毀損の事実が前記犯罪事実中第二の職権濫用の事実と想像的競合の関係に立つべきものであるとしても、科刑上一罪は本来数罪と考えられるものであり、付審判請求の問題としては、職権濫用の事実についてのみその当否を論ずれば足りるのであつて、またそのようにすることはできるのであり、このように解しても請求人に特段の不利益を与えることになるとも思われないのであるから、名誉毀損の事実については付審判請求をすることができないという結論は、この場合においても支持さるべきである。)から、本件請求中右第一の事実に関する部分は、既にこの点において法令上の方式に違反するものとして許容することができないものといわなければならない。(上野 敏 篠原曜彦 荒木勝己)